最近日本でも認知され人気がではじめている「ヌック」。
日本でいう小上がりや隠れ部屋、秘密基地的なスペースになるんですが、
注文住宅を建築中の我々もリビングにベンチヌックを作ることにしました。
なかなか事例が少ないので、後悔しないためにいろいろと研究。
この記事では後悔しないためのポイントや我々が考えに考えた半造作ヌックについて、記事にまとめています。
こじんまりとしたスペースって心が落ち着くよね~!
心地よいヌックとは
「ヌック」とは、スコットランドの言葉で「こぢんまりとした空間」を表す言葉です。
現在では日本でも広く使われるようになっています。
一般的には、
- 2~3畳程度の広さ
- 壁やドアで仕切らない
- 段差や素材の違いなどでゆるやかにゾーニングする
ことで、心地よい空間を作るスタイルが一般的です。
個室ではないため、ファミリー世帯であれば、家族みんながフレキシブルに使えるのが特徴。
最近では居室の広さよりも居心地のいい場所が欲しいという要望から、注目を集めています。
一言ヌックといっても、いろいろな種類があって、
階段下を有効活用したり、壁をくりぬいてニッチをつくったり、腰窓にヌック空間を作る方法なども考えられます。
ヌックを作る際は、どのような空間にするかを考えて計画することが大切です。
家でどのように過ごすかという「過ごし方」の延長にヌックをつくると、居心地の良い小さなスペースが作れますよ。
後悔しないために知りたい、ヌックのデメリット
ヌックを作る上で、懸念されるデメリットは以下の通り。
1坪~の面積を用意する必要がある
ヌックを作る際に、1坪以上の面積が必要になります。
リビングやダイニング、階段の傍など、ある意味余裕のある空間を作る必要があるため、他の部分を削る必要が出てくる可能性もあります。
ヌックを作る目的(子供の遊び場用・仕事用・昼寝用)に応じて、作り方を考慮する必要があります。
造作代やマットレスなどの追加費用がかかる
ベンチやデスクをつける程度ならその設備費のみで取り入れられますが、間仕切りの壁を作ったり、小上がりにしたりすると費用は高くなります。
実際、我が家のヌックは小上がり収納を作る関係で、費用は30万以上かかっています。
作り方次第で物置スペースになる
せっかくヌックスペースを作っても、活用されなければ意味がありません。
ヌックの目的にそぐわないような環境にしない等、間取り作成段階からヌックの目的を意識してつくらないと、収納スペースに変わってしまい、使わなくなる可能性があります。
ヌックを有効活用し、自分たちが快適に過ごせるように、居心地の良いヌックスペースを作り上げましょう。
そのためにやることは3つ。
「ヌック」を作る際には、空間の目的や形状、快適性などを考慮する必要があります。
ヌックのデメリットに対する対処方法
ヌックの目的を明確化する
ヌックといっても、ダイニングヌックやベンチヌックがあるように、
何を目的としてヌックを設けるのかを考える必要があります。
ヌックを作る際には、その目的を明確にすることが大切です。
例えば、
読書や趣味に没頭するためのスペース
家族や友人との集まりの場所
小さな仕事場
など、用途に応じてデザインを決めることが必要です。
ヌックがただの物置きにならないように、目的を明確にして必要な設備を決めるようにしましょう。
例えば、私たちの場合だと
お昼寝したり、子供と過ごすスペースにしたい
おもちゃ・子供用品などの収納スペースを設置し、空間をスッキリさせたい
写真を飾ったり、棚を設けて本やカップを置けるようにしたい
ちょっとした休憩もしたい
腰をかける高さにしてソファ替わりにしたい
などなど。
これらの目的によって、ロールスクリーンやオーダーシートクッションを設置したり、固定棚をつけたり、ヌックの下を収納スペースにするなどを決定していきました。
ヌックの空間の形を考える
ヌックは、他の部屋と区別するために床を上げたり、天井を下げたりして、こもり感のある空間を作ることが大切です。
また、入り口を狭くすることでも、こもり感を演出することができます。
空間の形を考えるために、我が家では
実際にヌックを設けたら、空間がどのようになるのか?ということで
IKEAが運営するアプリ「ルームプランナー」を使って、
理想のヌックイメージを間取りから起こしました。
こうすることによって、
その空間のイメージとヌックがマッチするか
高さ、大きさ、奥行などが問題なさそうか
色合いなどがヌック付近のものと調和できそうか
などを確認し、建てた後の後悔を少なくすることができました。
どうやったら快適に過ごせるかを考える
ヌックは、心地よく過ごすためのスペースです。
そのため、照明や空調、そして家具の配置などを快適に過ごすために考える必要があります。
例えば、
充分な自然光を取り入れるために窓を設ける
快適な椅子やクッションを用意する
など、過ごしやすさを重視したデザインを心がけることが大切です。
わが家ではリビングの隣にヌックを置くのはもとより、昼寝や遊び場としての目的がメインなので、
ベンチ部分に収納スペースを設けたり、可動式の照明を設置したり、ヌックのシートクッションをオーダーしたりしました。
造作ヌックスペースの間取り・作り方
実例として、我が家の1階の間取りを出します。
とその前に、完成したヌックはこちらです。
海外のヌックと比べたら、窓もないしちょっと寂しい感じですね…笑
とはいえ、我が家の願いはすべて叶っている仕様なので大満足なヌックです。
そんなわが家のヌックの希望要件は、以下の通りでした。
ヌックを設ける目的
- お昼寝したり、子供と過ごすスペースにしたい
- おもちゃ・子供用品などの収納スペースを設置し、空間をスッキリさせたい
- 写真を飾ったり、棚を設けて本やカップを置けるようにしたい
- ちょっとした休憩もしたい
- 腰をかける高さにしてソファ替わりにしたい
目的を達成するために必要な空間
- サクッとor長くも滞在できる空間=広すぎず狭すぎない広さ
- 固定棚・収納の設置
- 腰掛にするための小上がり
- 昼寝のためのおこもり&カーテン設置
快適に過ごすための工夫
- 生活動線上への設置
- 空調が効いている箇所
- クッション(マットレス)をオーダーでつくる
- 照明を可動式にする
これらすべてをみたしたものが、先ほどの我が家のヌックです。
間取りだと、このような形で
家の中心部分にヌックがくるつくりになっています。
そして、ヌックにクローズしてサイズをみてみると…
広さは約1.5帖、横幅2.73m。
設計士の方に詳細図面を書いていただきました。
大人が2人横に寝っ転がれるくらいに広いです。
間口も1.3m程度あるので、大人が2人腰掛けられるくらいスペースが開いています。
ただ、ヌックを作る上で問題が一つ。
ヌックを造作できるハウスメーカーならいいのですが、我が家のハウスメーカーは造作ができない。
大手のハウスメーカーは、既製品のみの取り扱いがほとんどで造作NGの場合が多いのです。
でも、仕方ない…とあきらめる我々ではない。
ヌックが欲しい我々。
造作ができなくても、ヌックのように座れるようにするために、設計士さんが考えてくれました。
- 小上がりにするための台を設置する
- 台の下は収納スペースにして有効活用する
- 小上がりの上にクッションシートを置く
これだけで、造作みたいなベンチヌックが完成!
リビングにソファを置かなくても、ここに座ることができるようになる上、収納スペースも確保できます!
なんて素敵~!
造作風のヌックは、なんと「1つの製品」と「オーダークッション」を組み合わせることで、作ることができました。
DIYをしてヌックを作りたい人にも、下記の方法でやればヌックを作ることができると思います。
エイダイのリビングステージを使って、ヌックを造作!
小上がりにするために使ったのは、エイダイの商品で「リビングステージ 小上がり収納プラン」というもの。
本来は畳を上に敷いて使うものなんですが、我が家は畳を発注せず、箱だけ置いてもらいました。
色は7色展開。ほとんどの床板の色と合わせることができると思います。
この商品自体は知っていたのですが、設計士さんから使い方を聞き、
そんなこともできるんだ~!って目からウロコ!
この引き出し付きのユニットは、ヌックの開口部に合わせて2つ特注しました。
そして、開口部以外には、
上から開けるタイプの収納を特注。
下記の画像でいうと、青色と赤色の部分です。(黄色は引き出し式のものを採用)
これでもう、収納つきヌックの完成です。
造作が苦手なハウスメーカーも、エイダイに任せれば造作風のヌックが作れちゃいます!
我が家はサイズの都合から、セミオーダーで発注しましたが、定価とあまり変わらず、20万程度だったと思います。
ネットで唯一購入できるところ
なお、小上がりの上に置くクッション(マットレス)の作り方は、こちらの記事にまとめています。
こちらも、サイズの都合でクッション・カバー共にフルオーダーしました。
わが家のヌックの実例・オーダーの仕方はこちら
ヌックの色合いや空間のイメージを膨らますにあたっては、インスタやピンタレストなどで
自分の好みの空間をピックアップして、家のヌックに当てはめていきました。
目的に合ったハッシュタグ、例えば「#カフェスペース」「#読書スペース」などで検索したりするのもオススメ。
その他、リビングヌック・ダイニングヌックや階段下ヌックなどに関しては、別記事でも沢山の事例を載せています。
おしゃれなヌックの作り方
日本のヌックの事例が少ないことから建築士の方もヌックの実績がないので、思ったような間取りが描いてもらえない事が多いです。
私がヌックを希望を設計に伝えた時、「ヌックって何ですか?」状態だったため、自分で間取りを書いて建築士の方にOKかチェックしてもらいました。
でも、間取りを自分で書くのも難しいし、何をどうすればいいかもよくわからないっていうのが普通。
なので、私は本を読んだり、沢山の間取りを見て勉強しました。
間取り関係の本ではおそらく一番有名なので、こういった本も合わせて参考にしつつ、素敵なダイニングヌックを作ってくださいね。
また、私が出版したヌック好きによるヌック好きのための本「Nook 北欧インテリアコーディネート集」というヌックのAI写真集を、kindleにて公開しています。
北欧&モダンを目指す人の参考になる、高品質な100デザイン以上のヌックを収録。
kindle unlimitedの人は無料で読めますので、ぜひご覧ください。
好みにあうヌック案をピックアップして、理想のヌックを作ってね!
間取り図や建築プランを試しに提示してもらいたい方は、一括資料請求のレビュー記事もあわせてどうぞ↓
また、ヌックをオシャレに仕上げる上では照明の計画も非常に大切です。
下記の記事では、「照明×ヌック」という視点で照明をジャンル分けし、40例以上の照明×ヌックをみながら、自分の好みにあう照明とヌックを模索できるようになっています。
ヌックを検討中の方は、よければご覧ください。