埼玉に本社を置き、関東圏を施工範囲とする広島建設の「富士住建」
千葉県在住の私は、地域中堅ハウスメーカーの富士住建も気になって見学に行きました。
「完全フル装備の家」なのに割安な富士住建!
注文住宅を建てる際、自分達にあったハウスメーカーを選ぶことはとても大切です。
どのハウスメーカーも特色があり、自分たちの希望や予算に合った会社を選ばなければなりません。
最終的にはウィザースホームを選んだのですが、富士住建に決めなかった理由は何なのか?
この記事では、「富士住建をやめた理由3つ」について解説します。
最終的に選んだウィザースホームとの特徴比較も行い、悩んでいる方にとって役立つ情報を提供します。
富士住建とウィザースホームの特徴の違い
わが家が最終的に選んだ「ウィザースホーム」を知らない方もわかるように、富士住建の詳細と合わせて違いをご紹介します。
検討当時(2021年夏~冬)頃の話もあるので、現在変更されている可能性があることをご了承ください。
項目 | 富士住建 | ウィザースホーム |
---|---|---|
設立 | 1987年 | 1970年 |
親会社 | ー | 新昭和 |
当時の平均坪単価 | 60万 | 55~75万 |
実際に提示された坪単価 | 61万 (見積り詳細) | 67万 (見積り詳細) |
構造 | 木造軸組み工法 モノコック構造 | 2×6、2×4 |
標準仕様の断熱性能 | ペアガラス、グラスウール | ペアガラス、ウレタンフォーム |
保証 | 20年間保証 | 50年間保証 |
一番いいなと思った点 | フル装備 コスパの良さ | 自分達の希望条件に合っている (下で掘り下げます) |
同じ坪単価の他社の方が 優れていると思った点 | アフターの長さ | 口コミの多さ |
提案力 | ー | |
施工エリア | 関東 | 南関東 |
下記でさらに掘り下げていきたいと思います。
富士住建に決めなかった理由ランキング
個人的な理由が大部分を占めているので、参考にならないところもあることをご了承ください。
我が家の「富士住建に決めなかった理由」3つランキング形式でまとめました。
第3位 断熱材がグラスウール
私は注文住宅検討初期より「吹付断熱」推しの人間でした。
その理由は、吹付断熱は施工品質にバラツキがでにくいという点にあります。
裏を返すと、吹付断熱ならハズレ施工者を引きにくいということ。
グラスウールは、きちんと施工されていないと、下の画像のような施工になります。
グラスウールで高断熱の家を作っています!と言ったって、それがしっかり施工されている前提の話。
富士住建が使っている「グラスウール」は、
一般的に施工現場によって品質にバラツキが出やすいといわれています。
一級建築士事務所代表さんのツイート
袋入りのグラスウール
— toshi.inu (@kenso_ad) June 20, 2022
施工するのあり得ない難易度高い。
いや、難しくないけど手間かかるかな。正しく施工されてる現場あんまりみたことない。。
大工兼監督さんのツイート
昔の写真出てきた
— イツキ建設🔨サイトウ (@itsukikensetsu) June 25, 2022
断熱の気密が重要なのは理論上理解できるけど現場だと配線やら下地やらがあって中々理想通りは難しいんだよね、、
設計段階と現場 両方の気遣いがないとグラスウール施工は難しい pic.twitter.com/owGzgKXb3Z
また、グラスウールは「無機繊維系断熱材」というもので、
「ロックウール」はグラスウールの上位版に当たります。
そしてロックウールを採用している天下のM井ホームでも、こんなことが。
M井ホーム施主さんのツイート
この前見学に行ってきたんだけど、ロックウールのこうゆう破けって問題ない?
— ちろの誤字脱字(家建った!) (@chirobon222) November 29, 2021
2枚目みたいに上から全体をビニールシートで覆うみたいだから平気なのかな?
てか2枚目のロックウールの詰め方汚くない?これでいいのかなぁ💧
3枚目はダクト破れ(数ヶ所あった)、これは監督さんに報告したよ
断熱も pic.twitter.com/AbDv43vRHf
しっかり現場監督が検査をして、現場管理をされているなら問題ないと思いましたが、
「人のM井」と言われているM井ホームですらこんな事が起きる。
また、信じるかどうかはあなた次第ですが、下記のようなツイートも。
断熱材はグラスウールのコストが安い
— マックス頭突き (@makin55592766) August 27, 2019
グラスウールの施工を本当に正しくできなければ結露し、数年後から断熱効果が下がる
グラスウールを正しく施工できる業者は1%程度らしい
1%を引ける自信はない
工務店に聞けば100%で正しくできると答えるだろう
気になる業者の工事を見ないとわからない
ちなみに、M井ホームはツーバイ工法ですが、富士住建の軸組工法=筋交いがある工法は、
グラスウールの施工難易度がさらに上がるそうです。
袋入りグラスウールを筋交いの斜めの部分に隙間なく施工できる職人など簡単に確保できない
— 新人やくざ (@shinnjinnkun) January 31, 2023
プロだったら綺麗に施工できるだろと思ったら大間違い
ましてや万年人手不足の建設業界
現場の大工が疲弊しながら断熱施工をするより、日本アクアにシュッと吹いて施工してもらった方が早くて楽で精度も高い
正直、グラスウールや繊維系の断熱材は悪くない。
— 魚貞 (@uosada47) May 17, 2020
むしろ、安価で良い素材。
ただ、壁への施工を考えると、知れば知るほど、完璧な施工には不向き。まして、外部周りに筋交いがある場合は不可能に近い。
単価というよりは向いてない素材。
断熱に重きを置くなら、黙って吹き付けや充填を選ぶべき。 https://t.co/4MIYGNPg84
施工でいったら吹付の方が楽で精度も高い、とのコメントも。
吹付断熱系のハウスメーカーの営業さんも、グラスウールは施工難易度が高いから、
間違いない品質を出せる吹付断熱を採用していると言っているところが多かったです。
ある意味保守的だけど、顧客想いともいえるなーと思ったよ
まとめると、「きちんと施工されている」と断熱性能は高いグラスウールを採用している富士住建。
比較した結果、我々夫婦は吹付断熱の安定的な品質を取る方にいきました。
第2位 アフターの短さが不安
富士住建の家、「完全フル装備の家」として売り出されてる通り、とても魅力的な設備ばかりの家です。
家の作り方や断熱性など、暮らしやすい住まいを考えて作られていて、非常にコスパが高い家だと思っていました。
が、アフターのことを聞いてみると。
最大20年保証で、点検は2年目まで無償で行います。
ローコストメーカーでも最大30年保証のところが多い中、最大20年保証。
そして、点検も多くのハウスメーカーでは10年目までは無償、坪単価が高い所だと30年目くらいまでは無償でやってくれます。
コストを抑えるために、アフターの充実さはないのね…
保証って「自分たちが作る家に対しての自信の表れ」だと考えていたので、最大20年保証と言われてしまうとなんだか不安。
点検も2年目までしか無償でしないとなると、住んだ後のことはどうでもいいんかな…なんて思いも少し抱き始めた我々。
ただでさえアフターは、どこのハウスメーカーも微妙だというのに、どうなっちゃうんじゃ。
第1位 フル装備の設備が自分達の好みに合わなかった
富士住建の完全フル装備の家の設備ラインナップ、どれも他社ではオプション扱いのものばかりですよね。
例えば、タカラスタンダードのキッチンや、1.5坪のお風呂、太陽光発電、樹脂サッシ、無垢床など。
カーテンも照明もコミコミでやってくれるし、それでいてこの坪単価60万台はすごすぎると思います。
でも、それは設備を絞って一括大量仕入れでやっているからこそ、実現できる坪単価。
コスト圧縮と引き換えに、選べる設備や色は限定的なの
指定された設備から外れたものを希望する場合は、むしろ割高になります。
我々は、ハウスメーカー探しと並行して土地探しを合計で2年間ほどしており、
その間にインスタ徘徊などで見つけた、我が家に導入したい設備などは結構でてきていたのです。
浴室1.5坪もいらないし、キッチンもグラフテクトが良い。洗面台は大きいやつが良い。等々。
それらを天秤にかけた結果、一生に一度の家づくりなら、自分たちの建てたい家を建てよう。
ということで、設備が自由に選べて性能も高い他社にすることにしたのでした。
番外編1 担当者が転職してしまった
我が家の担当だった方、30代後半で富士住建歴も3年オーバーと聞いていました。
安定感のある方で、この人なら任せても問題ないな~と思いながら土地を自分達で探していた矢先。
富士住建から入電し、担当者が辞めたので、新しい担当を挨拶させてくださいと来ました。
辞めちゃったの‥?富士住建に何か不満でもあったのかな…?
僕に任せてください!と言われていただけに、初打合せから2か月ほどで転職してしまったのは衝撃でした。
どこの会社も、辞める前っていくらか期間を設けてからお休みに入る決まりですよね。
有休消化という形ですぐ休みに入り、そのまま辞めたのかしら。うーん。
何はともあれ、担当者が変わって一から打ち合わせをせねばならず、めんどくさくなってしまった我々なのでした。
番外編2 詳細打ち合わせには手付金が必要
富士住建は、詳細打ち合わせを行うためには手付金を払う必要がありました。
検討当時のことなので、今はどうかわからないよ
これは坪単価を抑えるための人件費圧縮のためのハウスメーカー側の工夫なのですが、
ゆえに富士住建に対して本気度が高くない人たちは、ここで振り落とされることになります。
そして、我々も。
土地を探している最中だった我々ですが、上記の担当者変更や、他のハウスメーカーにも魅力を感じていたこと、そして1位の理由にもなっている「フル装備」に大きな魅力を感じていなかったこともあり、手付金を払うまでに至りませんでした。
番外編3 間取りがこない
わが家は富士住建を含む数社に間取りを作成するタウンライフで資料請求をし、各社からの連絡を待っていました。
私は間取り案がほしかったのもあり、家の希望をかなり詳細に書いて申し込みをしました。
積水ハウスは間取りを送ってくれたなか、
富士住建は先述のとおり超コスパのハウスメーカーである為か、申し込んだだけでは間取りをくれませんでした。
その人件費に対するコスト意識なのかはわからないけど、
そのコスト圧縮の姿勢はすごいと思ったよ
申込の際の書き方が悪かったのかもしれません。もっと希望をモリモリ書けばよかったかな。
富士住建とウィザースホーム、それぞれの最大のメリット
富士住建、ウィザースホームそれぞれのメリットは以下のとおり。
富士住建のメリット
- 超コスパの家を建てることができる
- グレードの高い設備を使える
- 単純明快な坪単価
- オールインクルーシブで引き渡し後がラク
富士住建の強みは、なんといっても「完全フル装備の家」。
富士住建の標準設備は、他社ではオプション扱いのものばかりなので、非常に魅力的なラインナップです。
グレードの高い設備を低価格で入れられるなんてすごい!
坪単価60万レベルのハウスメーカーとしては珍しく樹脂サッシ(検討当時はアルミ複合だったような?)ですし、無垢床もこのレンジのハウスメーカーではほぼオプション扱いなはず。
コストを抑えつつも、良い設備を使いたい人にはもってこいのハウスメーカーだと思います。
建物の坪数がいくら増えようと、基本的には坪単価×坪数計算なので、見積も単純計算できます。
値引きなどである種の調整をしてもらえますが、値引きなんかなくともコスパが良い。
そして、照明やカーテンも富士住建の方でまるっと委託できるので、引っ越し後が非常に楽です。
太陽光発電も載せるのが標準なので、住んだ後も電気代を圧縮するなど、コスパに優れています。
とにかく、コスパを意識するなら富士住建一択。
予算を抑えて設備のいいハウスメーカーで建てたい方であれば、一度は検討してみたいハウスメーカーではないでしょうか。
ウィザースホームのメリット
- 坪単価を抑えつつも、断熱性能が高い家に住める
- いろいろな種類の外壁タイルで自分の個性を出せる
- タイルを採用する事で外観◎&将来のメンテナンスコストを下げられる
- 内装も自分たちの思うままに仕上げられる
- 地域密着のハウスメーカー
- 土地探しから家づくりまで一括してサポート
私は、ハウスメーカーを合計で15社~20社ほど比較しました。
その中でも断熱性能の高い家って、安くても坪60万~。
外壁タイルが標準のハウスメーカーとなると、メインは坪80万~100万のレンジでした。
外壁タイルが標準のHMは、パナソニックホームズ、セキスイハイム、積水ハウス、トヨタホーム、ダイワハウスなど!
そして、我が家が選んだ「ウィザースホーム」は外壁の標準がタイル。
そして外壁タイル勢のなかでも、坪単価がかなり低い方でした。
なので、外壁タイルを使った家が良い!でもコストは抑えたい!という人は最適だと思います。
外壁がタイルだと、外観が一気にゴージャスになるし、メンテナンス性も高く、将来の張替などのコストも全くかからないよ。
なお、サイディングが標準な会社も、ほとんどの会社が「タイルもオプションで使えますよ!」と言います。
しかし、我々は餅は餅屋ということわざ通りの考えだったので、
外壁の標準がタイルの会社にしたかったのです。
餅は餅屋→サイディングが標準のハウスメーカーの家は、構造自体タイルに最適な家になっているのか?
というとやはり違うだろう。元からタイルに合う構造で作っているハウスメーカーに任せるのが安心だ
と考えたのです。
サイディングと比べてタイルはかなり重いし、接着剤も特殊らしく、
そこまで考えられていないと怖いよね
そのほか、標準というものが存在しないウィザースホームでは、施主の好みに合わせて一から見積もりを作成し、
如何様にも内装をフルコーディネートしてくれます。
ウィザースホームでは、千葉は君津にある「住宅館ラボ」で構造を直接みたり、
キッチン・お風呂・トイレなどの各住宅設備メーカーの実物はもちろん、
外壁タイルや玄関ドア・屋根瓦・床材などを一気にみてその場で納得して選ぶことができるのが、
すごいところでもあります。
この住宅館ラボはそこそこ大きな施設になっていて、5つのゾーンに分かれています。
ざっくりまとめると、「構造やコンセプト」「断熱性能」「外観」「住宅設備・内装」「インテリアコーディネート」
になっていて、それぞれの箇所で実物・実寸大のものを見て、どんなお家にしようか検討することができます。
外観
住宅設備・内装
インテリアコーディネート
金額もその場でわかるものも多く、見積しながら選んでいけるよ!
特に子供がいると、各住宅設備メーカーのショールームを予約して実際に行って話を聞くなんて、超大変。
こういう施設があるハウスメーカーって意外に少ないのではないでしょうか。
特に、このミドルレンジの坪単価のハウスメーカー。
こういう顧客想いのところ、好きだな~ って我々は心を打ちぬかれました。
富士住建をやめた理由まとめ
富士住建、設備&コスパを追い求める人にとっては、非常に魅力的なハウスメーカーだと思います。
坪60万レンジでのコスパの良さは、頭一つ抜けてる!
どんなハウスメーカーにも良い点懸念点があるので、坪単価が合う方で検討する余裕がある際には、ぜひ検討を。
以下、まとめです。
我が家では、以下の理由で富士住建は検討から外れました。
3位 断熱材がグラスウール
2位 アフターの短さが不安
1位 フル装備の設備が自分達の好みに合わなかった
どこに重きを置くかはその施主の考え方次第ですが、我々の場合は上記の通りでした。
今、富士住建などで悩んでいる人の参考になれば幸いです。