この記事でわかること
- 20帖のLDKの広さ
- L字型のLDKの広さの感じ方
- 広く感じさせるためのポイント
現在間取りを作成中の人が気になる、20帖のLDKってどんな広さなの?狭くないの?
などの家作り疑問あるあるについて、我が家の約20帖のLDKの写真をフルに使ってお答えしていきます。
限られた土地で、最大限の希望を詰め込み、広く感じさせる工夫をモリモリに詰め込んだLDK。
家作りの工程における、「なぜこの選択をしたのか?」そして「結果どうだったのか?」についても、言及していきます。
最後には、広く感じさせるためのポイントにフォーカスして、解説します。
LDKの20帖ってどのくらい?
我が家のLDKのスペック
- リビング8帖(+ヌック1.5帖)
- ダイニング5.25帖
- キッチン5.25帖(+パントリー1.5帖)
- 回遊部分0.75帖
総合計は22.25帖ですが、パントリーはLDKの居住空間とはカーテンで仕切っているので、LDKは実質20.75帖です。
また、回遊部分を抜いて実際に使う部分のみをカウントすると、生活空間20帖のLDKになります。
回遊空間があることで、写真ではもう少し大きく見えるかもしれませんが。
我が家は現在4人家族で、最大でも5人家族想定。
20帖のLDKや、横並びダイニングキッチン、パントリー・ヌックの採用、回遊動線の間取りなど、
同じ構成を考えている方の参考になれば幸いです。
我が家の間取り
LDK全体、そして各箇所の広さがわかる写真を載せていきたいと思います。
LDKレイアウトから見る広さ
リビング側から見る広さ
リビングの端からLDKを見た図
ここからみえる景色はおおよそ19帖くらいです。
私は、初めて家に入った時、思ったより広いなと思いました。
ちなみに、同じ20帖のLDKでも、L字のLDKは狭く感じやすい間取りらしいです。
我が家では、オープンキッチンや背の低いソファなどを採用しているため、
目線の抜けが良く、狭く感じにくい工夫がされています。
リビングの仕様
- 8帖リビング
- 南に2.2m×2.2mの窓
- 横幅2.7mのリビングヌック
- 壁掛けTV
- 収納等なし
- CASACASAのソファ
ヌックからの景色
南側は私道で目線が抜けるんですが、そこに大開口の窓を設ける事で、視線の抜けがとても良いです。
また、カーテンを天井付けにすることによって、天井が高く見える縦長効果を狙いました。
天井自体も、2.4mが標準のところ、オプションで天井高を2.6mを上げています。
人は見えている床面積が大きいと、空間を広く感じるのだそうです。
なので、TVを壁掛けにすることによって、目線抜け&掃除楽にしました。
レコーダーは別場所で接続をかけているし、ゲーム機は後ろに設置しているので、問題ありません。
このようにTV台がないと、スッキリして見えますよね。
我が家はヌックやキッチンからもTVを見るので、可動式の壁掛け金具を使っています。
TV台に置いていたら、向きをずらすのも大変ですが、壁掛けのおかげでやりやすいです。
ソファからの景色
ソファからはこのように見えます。
キッチンはオープンキッチンですし、存在感が目立ちやすい冷蔵庫も白なので、圧迫感をあまり感じません。
吊戸棚がないのも、広く感じさせる一つの工夫点です。
吊戸棚があると圧迫感もでる上、生活感も出がちなので、スッキリさせたい方にはおすすめしません。
また、3つ窓を設けたのも、リビングドアを開けた際に目線が抜けるポイントになっています。
更に、キッチン上部の梁も、ドアから奥に伸びることで奥行が長く見え、空間にメリハリを出す効果も。
ドアからの景色
床の板の流れも梁と同様にし、縦のラインを強調させています。
カーペットからの景色
どこのポイントから見ても、目線は3m以上抜けるので、かなり開放的に感じます。
ダイニング側から見る広さ
ダイニングの端からLDKを見た図
ダイニングの後ろからLDKをみると、リビング側からはみえなかった回遊部分の空間が見えます。
一番全体を見渡せるのが、ここのポイントかなと思います。
なので、この写真が一番20帖を感じやすいかもしれません。
ダイニングの仕様
- 5.25帖ダイニング
- 南に腰掛の1.8m×1.4mの窓
- 160cmのNOCEダイニングテーブル
- ダクトレールでペンダントライト×3
- キッチンと横並びダイニング
ダイニングからLDKを見渡した際も、やはりオープンキッチン・背丈の低いソファで圧迫感がないのがでかいと思います。
キッチンも、住宅設備というよりは、意匠性が高くインテリアに近い上、
テーマカラーのグレーなので、空間によく馴染んでいて、「キッチンです!」感があまりありません。
目立ちやすい冷蔵庫も、ダイニングとリビングの間からキッチン側を見ても、壁紙に冷蔵庫が馴染んでいます。
パッと全体を見ても、存在感があまりないですよね。
このLDKは、グレーのオープンキッチンやネイビーのソファに目が行きやすいので、冷蔵庫はそこまで気になりません。
パントリーに冷蔵庫を入れる案もあったんですが、リビングやダイニングからの利便性を鑑みて、現在の位置になりました。
今の冷蔵庫をパントリーにして、サブの小さい冷蔵庫を買い、今の場所に置く案もでました。
ただ、結局冷蔵庫置くなら一緒じゃんって話になり、現在の形に落ち着きました。
ところで、これがもしI型のLDKだと、こんな目線の抜けになります。
リビングの横に目線が抜ける空間(ヌック)があるのとないのと、広さの感じ方に違いがあると思います。
ヌックがない
ヌックがある
撮影ポイントは変わらず、左を映しただけ。
これだけで目線の広がりが変わり、広く感じます。
キッチン側から見る広さ
キッチンの端からLDKを見た図
キッチンの端から、ヌック以外のLDK全体が見えます。
LDKの中では一番背丈があって存在感のあるキッチンですが、もはやインテリアです。
キッチンの仕様
- 5.25帖キッチン
- 対面式ペニンシュラキッチン
- グラフテクトキッチン×ボッシュ
- 吊戸棚なし、窓と飾り棚を設置
- 横幅2.7m×高さ85cmの食器棚
- コンロの隣に1.5帖のパントリー
生活感がでないうえに、ヌックの壁紙のグレーとも同系色で馴染んでいるので、スッキリして見えます。
あと、我が家はリビングドア以外、白の建材で統一しているんですが、
メインクロスの白と同化し、膨張色で広く感じる工夫を凝らしています。
そして我が家は、一般的に面積を多くとりがちな、横並びダイニング。
リビングの面積を圧迫する形でこのダイニングキッチン式を優先したので、完成するまではドキドキでした。
でも、色のまとまりを意識して家具をそろえたので、それぞれが上手く調和している空間になりました。
一方、梁を照らすライトや、ダイニングテーブルのペンダントライトで、夜は雰囲気もガラリと変わります。
主張が控えめだったダイニングが照らされライトが輝き、梁や飾り棚も光が落とされています。
昼間はキッチンに目線が行きがちなんですが、夜はさらに奥や天井の方へ目線が続くように。
照明の使い方で、目線を集める先を変えられるって、すごい。
シンクからの景色
この写真で見えてる範囲は、14帖ほど。
ここからの見え方も、大きな窓・見える床面積が大きい・天井高が高い・カーテンレールが天井付け・ペンダントライトがあることによって、帖数以上に広さが強調されています。
手前に梁があることによって、奥の天井の高さが更に強調。
ただ天井が高いだけでも、広く見えないことも多々あるので、
メリハリや目線の持って行き方が大事なんだと思いますね。
20帖のLDKに使っているエアコン
ところで、余談ですが。
写真左上、何回も映り込んでいる、そこそこ大きなエアコン。
高断熱の家だと、どの畳数のエアコンを買うのか悩む人も多いのではないでしょうか。
最近は1台で家じゅうをコントロールするのも流行っていますね。
我が家のLDKで使っているのは、富士通のノクリア24畳用です。
エアコンの情報
我が家のウィザースホームの家は超高断熱(標準は2×6・吹付断熱・ぺアサッシ)を謳っています。
LDKのみで使うのはもちろん事足りますが、試しに1台で家じゅうをコントロールしようとするとどうか。
そんな我が家での結果、エアコンの本気はどうだったかというと
- 春・秋→ドアを開けておくと、2階まで快適な室温
- 夏 →冷たい空気が1階でとどまる(とはいえ、涼しいので家の中で汗をかくことはない)
- 冬 →暖かい空気が上にあがり、家全体が暖か
という結果です。
サーキュレーターが階段の近くにあれば、なんとかいけるか…?という感じ。
気密・断熱に超特化しているハウスメーカーや工務店なら、
もっと畳数の少ないエアコンでも快適な室温を保てるかもしれません。
ただ、「2×6・吹付断熱・ぺアサッシ」で「35坪・LDK南側・大開口の窓」の家では、
24畳用のエアコンで一年中快適は厳しそうでした。
エアコン一台で家じゅうをコントロールしたい場合は、メリットデメリットを比較した上で、
気密・断熱性の高いハウスメーカーを選んだ方が良さそうです。
広さを感じさせる上で工夫したポイント
上記で写真を多用して、紹介してきたポイントをまとめると、
- 目線の抜ける先をつくる(コントロール)
- 床面積を多く見せる(床に物を置かない)
- 色味を4色程度に抑え、スッキリ見せる
- 縦のラインを意識する
- 家具家電を壁紙と同系色にする
- 物理的に天井高を上げる
これらのポイントを駆使することで、同じ広さでも、工夫次第でより広く感じる事ができます。
ここからはポイント別に、写真を用いて解説していきます。
目線の抜ける先をつくる(コントロールする)
広く感じられるには、人が滞留する場所で、目線の先がどこに向くのかを意識します。
リビングに入るところであれば、ドアを開けて目の前のキッチンの窓
または、ソファを低くして、目線がその先のダイニングや隣の窓へ伸びるように障壁を減らします。
家具や住宅設備の背を低くしたり、物ごとなくしたり(吊戸棚を付けない等)。
物の主張を減らし、目線を奥に奥に伸ばして、広さを強調します。
床面積を広く見せる
これは脳の錯覚らしいんですが、床面積が大きいと広く見える錯覚を利用します。
例えば、TV台を置かない。
玄関の出しっぱなしの例が、一番わかりやすいです。
このだしっぱなしと
お片付けした後。
「目線をコントロールする」良い例にもなっていると思います。
目線がいくものを取っ払うと、空間の広さを俯瞰的に認識できます。
一方で、色味を揃え、まとまりのある空間に仕上げることでも、目線をコントロールすることは可能です。
色味を4色に抑え、スッキリ見せる
下の写真は、主に4色使っています。
白・グレー・ブラウン(ウォルナット)・ネイビー
ゴチャゴチャしておらず、目線が散らばりません。
ヌックも、白・グレー・ブラウン・アイアン(ブラック)の4色。
家じゅう、この原則を基本的に適用させています。
洗面脱衣所も、白・グレー・ブラウン・アイアン(ブラック)。
わりと物を置いていますが、色味がまとまっていることによって主張がなされていません。
その代わり、アクセントの照明やアイアンバーなど天井付近に目線が行き、広く感じることができます。
家具家電を壁紙と同系色にする
エアコンや冷蔵庫。
どうしても置かなきゃいけないけど、できるだけ存在感を消したいですよね。
そしたら、壁紙と同系色にして無理やりなじませてしまいます。
脱衣所でも、収納ケースや建材の色と合わせて、なじませます。
このドラム洗濯機、めちゃめちゃ大きいんですが、そこまで圧迫感は感じません。
それよりみんな、収納棚や鏡の方に目が行って、ドラム洗濯機を気にしている様子もなし。
このように、存在感を消しつつ目線をコントロールすることで、広さを感じさせます。
縦のラインを意識する
こちらも、脳の錯覚を利用するテクニックです。
カーテンレールを天井付けにして、縦のラインを強調し、天井を高く感じさせます。
また、床の長辺に平行に、床板を張ると、奥行きが長く見える視覚効果を狙います。
これは応用ですが、空間に表し梁を作り、天井からもさらに長さを強調します。
梁のラインがあることによって、広く、空間の長さを感じることができます。
天井高をあげる
これは建てた後ではできないので、できる人だけですが…
我が家のウィザースホームの天井高の標準は2.4mですが、オプションで2.6mに上げています。
実家に戻ると、なんか狭い…と感じます。
我が家と同じくLDKは20帖ほどあるはずなんですが、天井高とクローズされたキッチンなので、そう感じるのかも。
以上、広さを感じさせるポイントでした。
注文住宅にしては広すぎない20帖というLDKですが、
コストをかけず広く感じさせる工夫で、開放感あるLDKに仕上がっています。